30過ぎてからのローリング・ワールド

・いわゆるクライマックスシーンに近付き、もうすぐ事件も解決するだろうと言うところで、思わぬどんでん返しが起きることで、物語全体のテンションがさらにヒートアップするのは間違いない。中には「どんでん返しからシナリオを考えろ」と言う意見もある。なるほど、確かに強烈などんでん返しがない作品は、エンタテインメントとして相応しくない物に映る。映画を「芸術」と捉えるか「エンタテインメント」と捉えるかは結局のところ「自分の撮りたいものが何なのか」と言うだけのことだ。美しく頽廃的で自己満足なレトリックに満ちた「芸術」とするか、派手な展開とギミックを用意して視聴者を楽しませる「エンタテインメント」にこだわるか。まぁ、後者のほうが圧倒的にカネになることは間違いないんだけどね。

・ただ前述の例が極端な話であり、その中間的な作品だって存在する。まぁ、大概そういうのはどっちつかずの蝙蝠になってたりするのだけれども。本当言うと俺ぁ前者に行きたかったわけだ。スクリーンから勝手にストーリーが流れてきて、要するに「見てればいい」と言うのは、確かにそういうものを面白く作れる人間の才能は看過できないが、正直なところそうした手法に興味がなかった。「読んで追っていけばいい」と言うものを書くようになったのも、俺がアイマスにハマったからなのだ。人間はどこで道を踏み外すのか、わかったもんじゃないなと言う思いが昨今付き纏う次第だ。

・まぁ、いずれはやらかすと思うんですが。実験的なことは。「あー、紗水がまたなんかやってらぁ」と薄情に流してくれれば十分です、はい。