原因と結果の間にあるもの

・「なんかよくわかんないけど、これがこうなっちゃったら面白いんじゃね?」と言う時がある。つまり「結果逆算型」の考え方である。これに大して「なんかよくわかんないけど、こんなことが起きたらどうなっちゃうんだろう、って考えると面白くね?」と言う「原因始源型」の思考法がある。なぜこの二つの考え方が両立し得るのか。その間に存在する「因果律」がストーリーの根幹になるからだ。

・以前ラジオで「SSにおいてはプロットは組まない」と明言したが、通常のプロットと違った部分でやはり梗概的なものは断片的にではあるが書き記したりはする。ぶっちゃけマインドマップだのマンダラートだのと言った高度な思考方法を用いるつもりはなく、もっともプリミティブな「箇条書き」が一番手間もかからないし、箇条書きは別に「時系列に並べなければならない」わけではない。だから因果律をまとめて最終的なストーリーに結びつけるためには、情報を圧縮する前に「書き切れるだけ書いてから潰していく」必要がある。そうでないと、本来要るものまでどっかに飛ばしてしまって、細かい因果律が成立しないケースもある。

・僕らが見せたい、読ませたいと思うのは「原因と結果」だ。ただ、そこまで行き着くために必要な因果律をどう構築するかで、その作品の「稠密度」も変化する。みっちりと細かい情報が詰まっていれば、読者としては――その著者の筆致が感性に合わない限り――読了まで果てしない苦痛となる。ともすれば投げ出されてしまうだろう。あくまで中庸でありながら、巧みに読者の意識を「間違った方向」に向けさせて、そこからどうやって「どんがらがっしゃん」しても、きちんと想定通りの結果に帰ってくる。特に現実に存在し得ない事物・現象を扱う上で、このことは慎重に行われなければならないのだ。

・ま、そう言うわけで、みんなもアイマスSF書こうぜ!